高校受験の基礎知識

東京都立 都立入試の状況

2022年度の都立高入試は前年度から引き続き,新型コロナウイルス感染症対策が求められる中での実施となりました。推薦入試は過去最低倍率,一般入試は過去最低だった前年度に次ぐ低倍率と,いずれも低調でした。
高倍率となる中堅校が続出する一方,受検者数が定員を大きく割り込む学校も目立ち,募集人員から合格者数を引いた人数は前年度の約1.5倍,学力による倍率の格差が拡大しています。
また,男女別定員緩和措置の実施校拡大によって,男女の競争率の差は縮小しました。

今春の都立高入試が具体的にどのような入試だったのか振り返ってみましょう。

【推薦入試】

文化・スポーツ等特別推薦の入試状況

文化・スポーツ等特別推薦は延べ93校266種目916人の募集数で実施,応募人員は1,769人で応募倍率は過去最低だった前年度(1.75倍)より0.18ポイント高い1.93倍で,前々年度(1.96倍)並みに戻りました。

特別推薦の特徴は次の通りです。

  • 応募倍率は高めで推移しているが,一般推薦よりは低い
  • 人気の高い種目は硬式野球やサッカーなど,運動系のメジャーな種目に偏り,中学校時代にはあまりなじみのない種目への応募者は非常に少ない
  • 特別推薦は一定水準以上の技能を持っていないと応募者数が募集人員の数より少なくても不合格になることがある

特別推薦と一般推薦の両方に出願した受検生は応募者の75.9%で,前年度(75.5%)からややアップ。これは2020年度以前と比べると10ポイント近く高い割合です。コロナ禍以降同時出願によって合格のチャンスを増やし,できるかぎり少ない受検機会で進学先を決めようと考える受検生が増えていることが分かります。
もっとも応募倍率が高かったのは,東大和「サッカー」で9.00倍,次いで小岩「硬式野球」7.50倍,東久留米総合「サッカー」7.20倍,東「サッカー」7.00倍,南葛飾「サッカー」6.67倍,城東「硬式野球」広尾「硬式野球」の2校が6.33倍で並び,小平南「硬式野球」6.00倍,狛江「サッカー」5.67倍,府中東「サッカー」東村山「バスケットボール」が5.50倍で続きます。
応募倍率が3倍以上となった46校56種目についてみると,サッカーが16校,硬式野球が16校,バスケットボールが10校と人気種目のベスト3は不動です。

一般推薦の入試状況

特別推薦含む推薦入試の全日制募集人員9,156人に応募者数は23,242人,倍率2.54倍で前年度(2.78倍)から0.24ポイントダウン,前々年度の2.55倍をわずかに下回り過去最低倍率となりました。

学科別応募倍率 2022 2021
普通科男子 2.69 2.87
普通科女子 3.25 3.58
コース制 2.57 2.15
単位制普通科 3.11 3.15
普通科計 2.96 3.18
商業科 1.38 1.60
ビジネスコミュニケーション 1.84 2.53
工業科 1.35 1.44
工業科(単位制) 0.95 1.10
科学技術科 1.61 1.83
農業科 1.99 2.26
水産科 1.95 -
家庭科 1.76 3.88
家庭科(単位制) 1.52 2.67
福祉科 1.70 3.95
理数科 2.00 -
芸術家 5.40 4.73
体育科 2.38 2.92
国際科 3.62 3.08
併合科 0.50 0.10
産業科 1.99 2.26
専門学科計 1.63 1.89
総合学科 2.08 2.29
全日制計 2.54 2.78
<推薦応募倍率の推移>

上の表にあるとおり,男女別募集の普通科男子2.69倍(前年度2.87倍),女子3.25倍(同3.58倍)とそれぞれダウン,前年度1倍台だった2校が募集停止のコース制2.57倍(同2.15倍)にアップしたものの,単位制普通科3.11倍(同3.15倍)にダウンしました。
専門学科も工業科1.35倍(前年度1.44倍),産業科1.99倍(同2.26倍)など主要な学科は軒並み倍率ダウン。2022年度推薦募集枠の上限を定員全体の30%から40%へと引き上げた学科では農業科1.99倍(同2.26倍),商業科1.38倍(同1.60倍)などいずれも倍率ダウンとなりました。ただし商業科の応募者数は前年度の634人から708人へと増えています。
総合学科も2.08倍(前年度2.29倍)となり,主要な学科はほとんど倍率が下がりました。

次の表は,校長会予備調査時の都立志望者の内,どれくらいの割合で推薦入試に応募したのかを示した表です。都立高校第一志望者が推薦入試に応募する出願率は前年度全日制全体で5割を超えましたが,再び40%台に戻りました。前年度は検査項目から集団討論がなくなったことや,検査日がほとんどの学校で2日間から1日へと短縮されるなど検査の負担が軽減されたことで倍率アップしていました。2022年度もそれらの措置は継続されましたが,前年度の高倍率が敬遠されたほか,集団討論を実施せず個人面接や作文・小論文の配点が上がったことで調査書点の差を逆転しづらいと考えた層も一定数いたものと考えられます。

  2022 2021 2020 2019 2018
普通科男子 41.0% 44.8% 40.1% 39.3% 41.9%
普通科女子 48.0% 52.7% 47.8% 47.8% 49.0%
コース制 69.6% 74.0% 64.4% 59.5% 65.7%
単位制普通科 47.2% 50.2% 46.6% 44.5% 44.8%
商業科 66.9% 63.3% 55.8% 51.1% 55.9%
工業科 62.0% 64.3% 59.5% 55.8% 58.1%
農業科 61.4% 60.6% 55.6% 57.2% 57.9%
家庭科 68.9% 77.3% 65.5% 82.7% 71.0%
総合学科 63.9% 69.0% 62.2% 59.9% 61.1%
全日制計 48.2% 52.2% 47.1% 46.3% 48.2%

男女別募集の普通科でもっとも高い倍率になったのは,男女とも青山で男子は5.93倍,女子は9.62倍でした。
以下,次の表の通りです。

<推薦入試校倍率ベスト5>
男子 女子
学校名 倍率 学校名 倍率
1位 青山 5.93 1位 青山 9.62
2位 広尾 5.00 2位 鷺宮 5.65
3位 4.92 3位 日本橋 5.50
4位 足立 4.86 4位 戸山 5.23
5位 城東 4.66 5位 5.14

単位制普通科は新宿が6.53倍で再びトップに立ち,大泉桜の3.85倍が続きました。
専門学科では,総合芸術「美術」が6.63倍でトップとなり,毎年その上をいっていた総合芸術「舞台表現」(5.92倍)を抜きました。次いで園芸「動物」5.20倍,工芸「デザイン」4.40倍,工芸「グラフィックアーツ」4.40倍と続きました。
立川創造理数科では初の試みとなる理数等特別推薦が実施されました。定員は8人という非常に少ない人数でしたが,応募者は男子12人,女子4人の計16人で応募倍率は2.00倍。出願時に提出する「科学的な取組に関するレポート」とそれに関する口頭試問が高いハードルとなったのか,応募者が殺到するような事態にはなりませんでした。

全日制の受検者は23,053人,合格者数は9,033人で合格率は39.2%となって前年度(35.6%)から大幅に緩和しました。
前年度20%台の激戦だった普通科女子は30%台に戻り,男子も2ポイント以上アップしました。前年度赤羽北桜の新設で20%台となった家庭科は赤羽北桜の学級増もあって大幅に緩和しました。

  2022 2021 2020 2019 2018
普通科男子 37.0% 34.8% 37.7% 38.4% 35.6%
普通科女子 30.9% 27.9% 30.1% 30.7% 28.9%
コース制 38.8% 44.7% 63.6% 47.0% 46.6%
単位制普通科 32.1% 31.8% 36.2% 36.2% 35.2%
商業科 72.6% 62.7% 59.3% 60.2% 57.8%
工業科 66.8% 64.7% 66.0% 57.4% 55.5%
農業科 49.6% 44.2% 51.4% 40.1% 39.9%
家庭科 57.4% 25.8% 37.3% 29.7% 34.2%
総合学科 48.4% 43.8% 47.0% 50.9% 45.2%
全日制計 39.2% 35.6% 38.7% 38.2% 36.0%

【一般入試】

第一次募集・分割前期募集の入試状況

まとめ
  1. 一般入試の最終応募倍率は過去最低だった前年度に次ぐ低倍率。
  2. 中堅校の倍率が大きく上がり,学力による倍率の二極化が拡大した。
  3. 男女別定員緩和措置の実施校拡大により女子の合格者が増え,実質倍率・合格率の男女差が縮まった。
出願状況

海外帰国学級募集分を除く一般募集人員30,204人に対し,出願締め切り時の応募者数は41,387人,応募倍率は1.37倍で前年度(1.35倍)から0.02ポイント上がりました。
出願締め切り時で応募者が定員に達しなかった全日制の学校(島嶼除く)は,普通科(単位制,コース制含む)延べ28校(前年度32校),専門学科延べ32校55学科(同26校44学科),総合学科3校(同5校)と,専門学科での増加が目立ちました。

願書差し替え状況を見ると,全日制で願書を取り下げた人は1,964人で応募者の4.7%と前年度(6.5%)から下がりました。その結果,定員割れは普通科(単位制・コース制含む)26校(前年度26校),専門学科30校51学科(同27校45学科),総合学科3校(同2校)が定員割れのまま残り,専門学科で前年度より増加する結果となりました。

全日制の最終的な応募者数は,41,366人,最終応募倍率は願書締め切り時と同じ1.37倍,過去最低だった前年度(1.35倍)に次ぐ低倍率でした。

学科別最終応募倍率 2022 2021
普通科男子 1.46 1.43
普通科女子 1.46 1.48
島嶼 0.37 0.38
コース制 1.58 1.07
単位制 1.48 1.38
普通科計 1.45 1.42
商業科 0.85 0.83
ビジネスコミュニケーション 1.04 1.12
工業科 0.85 0.91
工業科(単位制) 0.61 0.54
科学技術科 1.97 1.65
農業科 1.09 1.12
家庭科 0.65 1.29
家庭科(単位制) 0.61 1.12
福祉科 0.62 1.18
芸術科 2.16 1.99
体育科 0.96 1.31
国際科 2.60 1.68
水産科 1.33 -
理数科 4.59 -
併合科 0.16 0.09
産業科 1.13 1.24
専門学科計 1.04 1.04
総合学科 1.14 1.11
全日制計 1.37 1.35
昼間定時制 1.02 1.02
チャレンジスクール 1.22 1.18

学科別の最終応募倍率は上の表の通りです。
普通科男子の応募倍率は前年度より0.03ポイント高い1.46倍女子は0.02ポイントダウンで1.46倍と3年ぶりに男女の倍率がそろいました。
商業科工業科は志願変更後も1倍に達せず,専門学科全体では前年度と同じ1.04倍という低倍率になりました。
昼間定時制は前年度と同じ1.02倍,分割後期の募集枠を縮小し前期枠を拡大しましたが,応募者数が約200人増え,倍率をキープしました。チャレンジスクールは新設の小台橋こそ定員割れとなったものの,全体では1.22倍と前年度(1.18倍)からアップしました。

男女別募集の普通科でもっとも高い倍率になったのは,男子は日比谷で2.50倍,女子は神代で2.48倍でした。男子は次いで,目黒2.39倍,青山2.25倍,戸山2.14倍,豊多摩2.05倍の順,女子は広尾2.47倍,井草2.36倍,向丘2.35倍,三田2.26倍という順でした。

単位制普通科では新宿が2.36倍で例年通りトップ,2位は芦花で1.93倍,3位は国分寺で1.70倍,とベスト3の顔ぶれは固定しています。6校中2校が募集停止となったコース制は小平「外国語」が1.89倍,深川「外国語」1.68倍,松が谷「外国語」と片倉「造形美術」は1.38倍でした。総合学科のトップは前年度から100人以上応募者を増やした晴海総合で1.77倍,次いでつばさ総合1.23倍,青梅総合が1.15倍で続きました。

<一般入試最終応募倍率ベスト5>
男子 女子
学校名 倍率 学校名 倍率
1位 日比谷 2.50 1位 神代 2.48
2位 目黒 2.39 2位 広尾 2.47
3位 青山 2.25 3位 井草 2.36
4位 戸山 2.14 3位 向丘 2.35
5位 豊多摩 2.05 5位 三田 2.26

下の表は,普通科の最終応募状況を学力レベル別に分けて集計したものです。
もともと普通科の応募状況は学力レベルによって二極化しており偏差値50を境にして倍率に大きな差が生じていましたが,2022年度は50~54の層の倍率が上がったことでその差が一段と大きくなりました。前年度は一斉休校措置や模擬試験の中止・自宅実施等によって学力検査への不安を抱いた中堅層が私立推薦入試へ向かったと思われ,50~54の層の倍率が下がっていましたが,2022年度はそのような不安がある程度緩和され,倍率アップにつながったものと考えられます。

<男女別募集の普通科男子の最終応募者数の推移>
男子 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度
定員 応募 倍率 定員 応募 倍率 定員 応募 倍率 定員 応募 倍率
60~ 2,057 3,484 1.69 2,086 3,654 1.75 2,116 3,671 1.73 2,143 3,715 1.73
55~ 1,633 2,851 1.75 1,661 2,627 1.58 1,692 2,705 1.60 1,701 2,937 1.73
50~ 1,936 3,351 1.73 1,896 2,898 1.53 1,914 3,111 1.63 1,942 3,230 1.66
45~ 1,574 2,179 1.38 1,489 2,073 1.39 1,552 2,244 1.45 1,599 2,425 1.52
40~ 1,865 2,253 1.21 1,738 2,062 1.19 1,820 2,352 1.29 1,856 2,436 1.31
30~ 2,083 2,104 1.01 1,835 1,949 1.06 1,927 2,284 1.19 2,127 2,317 1.09
11,148 16,222 1.46 10,705 15,263 1.43 11,021 16,367 1.49 11,368 17,060 1.50

女子は60以上の最上位層の応募者が300人以上減り,倍率も大きく下がりました。上位校では男女別定員緩和措置の実施によって女子の合格者が減るのではないかという観測が,女子の志望校選択を慎重にさせた可能性もあります。そして,男子同様55~59,50~54の層では大きく倍率が上がり,いずれも過去5年で最高倍率となりました。
45~49の層の倍率が前年度並みなのは男子と同様の傾向ですが,女子では40~44の層の応募者が前年度より減って倍率が下がり,30台の層は1倍を切りました。学力下位層の都立離れ,私立・通信制志向は女子においてより進行していると言えるかもしれません。

<男女別募集の普通科女子の最終応募者数の推移>
女子 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度
定員 応募 倍率 定員 応募 倍率 定員 応募 倍率 定員 応募 倍率
60~ 1,899 3,117 1.64 1,932 3,453 1.79 1,966 3,526 1.79 1,963 3,238 1.65
55~ 1,509 2,825 1.87 1,542 2,663 1.73 1,577 2,634 1.67 1,561 2,747 1.76
50~ 1,785 3,211 1.80 1,649 2,614 1.59 1,669 2,842 1.70 1,666 2,729 1.64
45~ 1,452 2,045 1.41 1,378 1,957 1.42 1,443 2,103 1.46 1,460 2,275 1.56
40~ 1,723 2,000 1.16 1,611 2,027 1.26 1,687 2,338 1.39 1,701 2,337 1.37
30~ 1,914 1,802 0.94 1,695 1,780 1.05 1,786 2,072 1.16 1,940 2,103 1.08
10,282 15,000 1.46 9,807 14,494 1.48 10,128 15,515 1.53 10,291 15,429 1.50
受検・合格者の状況

2月21日(金)の学力検査に臨んだ全日制の受検者数は前年度(37,500人)より1,405人多い38,905人,受検倍率は1.29倍で前年度より0.01ポイントアップしました。 応募はしたものの受検を欠席した生徒は2,461人で応募者の5.9%(前年度5.5%),で近年の中では高めの欠席率となりました。ただし2022年度については追検査の申請者数が全日制全体で142人(前年度14人)にものぼり,新型コロナウイルス感染等によって欠席せざるを得なかった応募者が多かったものと見られます。欠席者から追検査申請者を除いて計算すると棄権率は5.6%で前年度,前々年度とほぼ同水準でした。全日制で定員割れになったのは,島しょの学校を除くと普通科(コース制・単位制含む)で27校(前年度29校),専門学科34校56学科(同30校48学科),総合学科4校(同5校)と専門学科で増加しました。

全日制38,905人の受検者の内,合格者数は28,640人,実質競争率は1.36倍となり,前年度(1.32倍)より0.04ポイントアップしました。合格者の数は募集人員(30,204人)より1,564人少なく,募集人員と合格者の差は前年度(1,033人)から約1.5倍になりました。

男女別募集の男子の実質倍率は1.39倍,合格率71.7%(前年度1.35倍,74.3%),女子1.40倍71.3%で(同1.39倍,71.8%)男子の合格率は2ポイント以上ダウンしたのに対し,女子は0.5ポイントダウンにとどまり男女の合格率の差が縮まりました。受検倍率では男子の方が低かったにもかかわらずこのような結果になったのは,男女別定員緩和措置の実施校拡大によって女子の合格者が定員より多くなった学校が多数となったためです。
コース制は実質倍率1.42倍,合格率70.3%(前年度1.16倍,86.5%)で大幅な合格率ダウン,単位制普通科1.39倍71.7%(同1.34倍,74.5%)で前年度よりやや厳しい入試となりました。
一方,専門学科は商業科1.00倍99.8%(前年度1.05倍,95.0%)と学科全体でほぼ全入という事態になりました。その他,工業科1.09倍91.4%(同1.10倍,90.7%),農業科1.15倍,86.9%(同1.14倍,88.0%),産業科1.06倍,94.0%(同1.20倍,83.3%)等,主な専門学科はいずれも高い合格率となりました。総合学科1.13倍88.7%(同1.10倍,90.7%)でした。

下の表にあるように,男女別募集の普通科では男子も女子も偏差値50台の学力層において高倍率の激戦になり,合格率は前年度から下がりました。そして50未満の層の合格率は前年度から大きく変わらなかったため,50~の層と45~の層の合格率の差は男子14.5ポイント(前年度6.4ポイント),女子14.0ポイント(前年度4.7ポイント)と大きく開きました。近年まれにみる高倍率になったような学校は次年度の入試で敬遠されることも予想されます。
男女の合格率の差が縮まったことは学力別に見ても明らかで,特に55より上の層で顕著です。男子の合格率から女子の合格率を引いた値を前年度と2022年度で比較すると,60~の層では4.8ポイント→1.1ポイント,55~の層では5.2ポイント→-0.8ポイントとなっており,男女別定員緩和措置の実施校拡大によって性別の違いによる競争の厳しさの差がある程度是正されたことが分かります。

偏差値 男子 女子
2022 2021 2020 2019 2018 2022 2021 2020 2019 2018
60 67.2 67.3 68.4 65.5 62.9 66.1 62.5 62.4 66.4 62.8
55 59.8 67.4 68.6 64.8 60.3 60.6 62.2 64.3 63.1 60.9
50 60.6 69.1 65.2 63.6 64.3 61.7 70.2 65.2 66.5 63.2
45 75.1 75.5 72.0 69.7 75.2 75.7 74.9 71.4 69.2 69.3
40 86.1 88.2 82.8 80.6 79.8 84.8 84.4 79.3 77.0 77.3
30 91.7 90.3 85.3 92.0 84.4 93.6 90.6 87.2 92.1 82.1

全日制の入学手続き者数は28,496人,辞退者は144人,辞退率は0.5%でした。

第二次募集・分割後期募集の入試状況

全日制第二次募集・分割後期募集の募集人員は前年度より412人多い2,289人(前年度1,877人)でした。普通科では大泉桜(二次募集数1人)で入学辞退者が生じ二次募集を実施しました。深沢106人(分割後期募集定員16人),足立新田70人(同13人),五日市61人など大幅に欠員が生じた学校も目立っています。
応募者数は前年度より111人多い782人,倍率0.34倍で前年度(0.36倍)を下回りました。島しょを除く男女別募集の普通科でも募集人員989人に対し応募者は533人で0.54倍(前年度0.70倍)と2年連続で1倍に達しませんでした。このほか商業科0.36倍(同0.27倍),工業科0.16倍(同0.17倍),農業科0.34倍(同0.36倍),総合学科0.71倍(同0.27倍)などすべての学科で1倍を下回りました。
普通科では,南葛飾2.50倍,田園調布2.35倍,府中東2.14倍と,分割後期募集の3校が高倍率となりました。
願書を取り下げた人は53人で応募者の6.8%,前年度(9.8%)より減りました。志願変更後の最終応募者数は802人,倍率は0.35倍となりました。
応募締め切り時に高倍率だった南葛飾は願書取り下げが続出し1.40倍にダウン,府中東も1.50倍まで下がったのに対し,田園調布は取り下げ1人のみで2.30倍と高倍率のままでした。