平成14年度 都立高校の一般入試状況(第一次募集・分割前期募集)
2002.04.30

(1)出願状況
海外帰国学級募集分を除く一般募集人員32,954人に対し出願初日の応募者数は46,315人,応募倍率は1.41倍(前年度1.42倍)でした。この応募倍率は
4年連続して下降しています。二日目に627人が提出し(初日の出願率は98.7%),応募倍率が1.42倍になりました。
願書の差し替え状況を見ると,取り下げは2,925人(志願者の6.2%),再提出者は2,870人でした。取り下げ率は前年度とほぼ同じでした。
都立高の出願日程と私学の入試日程の関係は次の表にあるように,私学の入試日程が都立の出願日程に挟まれています。従って,私学と併願している受験生は,私立高校の合否を確認した上で都立高の願書を差し替えることができるわけです。また,私立高第一志望の合格者は,願書を取り下げて再提出しないこともできます。前年度はそういった受験生が200人を超えました。
しかし,今年度は再提出しなかった受験生は55人に過ぎず,取り下げ者数の98.1%が再提出しました。

【都立高出願日程と私立高入試日程】
日付 14年度入試 13年度入試
2月7日 出願 1 出願 1
2月8日 出願 1 出願 1
2月9日 1 1 取り下げ 1
2月10日 1 私立高入試開始 1 私立高入試開始
2月11日 1 1 1 1
2月12日 1 1 1 1
2月13日 取り下げ 1 再提出 1
2月14日 再提出 1 1 1
 この願書差し替えによって最終的な応募者数は46,888人となりましたが,応募倍率は1.42倍と出願締め切り時と変化はありませんでした。


(2)受験状況

2月21日(木)の学力検査に臨んだ全日制の受験者数は41,665人,受験倍率は前年度と同じ1.26倍となりました。入試を欠席した受験棄権者数は5,223人で最終応募者数の11.1%(前年度11.8%)でした。受験棄権率は前年度に引き続き過去最低となっています。
受験棄権率の推移は下表の通りです。男女別では男子(15.0%)の方が女子(6.9%)よりも棄権率が高く,私立第一志望者が多いことを表しています。

【受験棄権率の推移(単位:%)】
  14年度 13年度 12年度 11年度 10年度 9年度
1〜10学区 12.1 13.0 13.8 16.9 19.2 21.2
専門学科 7.5 6.9 7.2 8.9 10.5 11.4
全体 11.1 11.8 12.5 15.3 17.5 19.1
学区別の棄権率を男女別で見ると,下表のようになります。
全体的に前年度より下がっている中で,1学区と2学区の女子の棄権率が上がっているのが目を引きます。この学区の私立高校が共学化や推薦制導入などで人気が上がったためと思われます(人気の高い学校・・
青山学院,青稜,東洋,朋優学院,豊島岡女子,共立女子,麹町学園女子など)。
【学区別受験棄権率(単位:%)】
学区 14年度 13年度
男子 女子 男子 女子
1学区 23.3 10.8 17.4 23.0 7.6 15.6
2学区 26.9 13.3 20.3 28.8 11.7 20.9
3学区 25.4 12.2 19.4 26.6 13.5 20.7
4学区 15.2 5.3 10.3 17.2 6.8 12.1
5学区 11.0 2.8 6.7 10.9 3.6 7.2
6学区 10.1 3.8 7.0 11.1 4.3 7.7
7学区 11.0 5.6 8.2 13.9 6.5 10.2
8学区 11.5 4.5 8.0 9.7 4.5 7.2
9学区 13.3 6.3 9.9 17.1 6.4 11.8
10学区 16.7 7.3 12.2 18.7 9.6 14.2
全体 16.7 7.2 12.1 18.1 7.5 13.0
他学区からの受験者は5,024人で1〜10学区の全受験生の16.3%(前年度は4,523人,13.8%)を占め,他学区受験はますます活発になってきています。
学区別・男女別の受験状況は下表の通りです。
【学区別受験倍率】
学区 男子 女子
募集 受験 倍率 募集 受験 倍率
他学区 他学区 他学区 他学区 他学区 他学区
1学区 1,072 376 1,239 255 1.16 0.68 932 329 1,302 265 1.40 0.81
2学区 1,214 509 1,458 396 1.20 0.78 1,027 431 1,651 526 1.61 1.22
3学区 1,389 496 1,568 205 1.13 0.41 1,206 428 1,541 302 1.28 0.71
4学区 1,176 451 1,379 235 1.17 0.52 1,053 406 1,531 335 1.45 0.83
5学区 1,035 376 1,102 182 1.06 0.48 936 343 1,302 288 1.39 0.84
6学区 1,432 436 1,733 96 1.21 0.22 1,291 391 1,749 118 1.35 0.30
7学区 1,565 517 1,758 85 1.12 0.16 1,489 496 2,001 176 1.34 0.35
8学区 1,404 469 1,585 196 1.13 0.42 1,309 440 1,729 254 1.32 0.58
9学区 1,399 467 1,665 240 1.19 0.51 1,290 433 1,684 306 1.31 0.71
10学区 1,209 426 1,407 249 1.16 0.58 1,082 380 1,454 315 1.34 0.83
12,895 4,523 14,894 2,139 1.16 0.47 11,615 4,077 15,944 2,885 1.37 0.71
1〜10学区の中で,受験倍率が1倍に達しなかった定員割れの高校は,男子16校(前年度18校)で女子は1校もありませんでした(前年度は5校あった)。逆に1.4倍以上の高倍率になった高校は,男子12校(前年度16校),女子52校(同57校)となり,全体的に受験倍率がやや平準化されてきているようです。推薦入試同様,前年度の受験状況を見て,倍率の低い高校に狙いをつける傾向が今年度はやや強まったといえるでしょう。


(3)合格者

全日制の一般受験人員41,665人に対し合格者数は34,047人,実質倍率は前年度と同じ1.22倍でした。不合格者数は7,618人,受験者に対する割合は18.3%となりました。
この不合格率は12年度に次いで単独選抜以来2番目に高い率です。
過去の不合格者数と不合格率の推移を見ると次のようになります。不合格率は3年連続で18%台,高原状態が続いています。
一方で他学区受験者の合格率は79.5%で,学区内受験者よりもやや厳しめの入試になりました(学区内受験者の合格率は83.8%)。

  9年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度
不合格者数 6,388 7,536 8,455 8,515 7,845 7,618
不合格率 13.7 16.1 17.8 18.5 18 18.3

受験倍率と実質倍率の関係を見ると下表のようになります。
どの学区も男子の実質倍率が受験倍率より上がり,女子が下がっています。これは,男女別定員制の緩和により,男子の合格者を絞ってその分女子を多くとるからです。この結果,女子の水増し合格者数は1,393人となり,一般募集時の男女比52.6:47.4が合格発表時では49.2:50.8と逆転しました。
学区 性別 受験倍率 実質倍率 水増し率
1学区 男子 1.16 1.20 -
女子 1.40 1.22 14.1
2学区 男子 1.20 1.27 -
女子 1.61 1.35 18.8
3学区 男子 1.13 1.12 0.8
女子 1.28 1.15 11.4
4学区 男子 1.17 1.21 -
女子 1.45 1.28 13.7
5学区 男子 1.06 1.09 -
女子 1.39 1.27 9.6
6学区 男子 1.21 1.23 -
女子 1.35 1.24 9.7
7学区 男子 1.12 1.14 -
女子 1.34 1.20 12.2
8学区 男子 1.13 1.17 -
女子 1.32 1.20 10.3
9学区 男子 1.19 1.21 -
女子 1.31 1.19 10.2
10学区 男子 1.16 1.17 -
女子 1.34 1.20 11.6
合計 男子 1.16 1.18 -
女子 1.37 1.23 12.0

今年度注目された高校の選抜状況を見てみると,まず,都内で2校目の全日制総合学科高校
つばさ総合」の受験倍率は1.42倍,進学指導重視型の「国分寺」は1.29倍となりました。
また,進学指導重点校に指定された,
日比谷,戸山,西,八王子東の4校はいずれも前年度の受験倍率を上回り厳しい入試になりました。

都立高一般入試の特徴を挙げると次のようになります。
* 出願倍率は下降傾向だが棄権率も下がっているので,
受験倍率は高いままで推移している。
* これは,私立高入試のウエイトが推薦入試に移りつつあり
都立の出願では都立第一志望者の占める割合が高くなっているため。
* 男女別定員制の緩和で女子の合格者が多くなるが,それでも実質倍率は女子の方が高く,
相変わらず女子の高い都立志向が認められる。
* 受験倍率がやや平準化され,
受験生が入りやすい学校を狙って受けている傾向が伺える。